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【ネト見的インド旅行記】 第一章 旅はいつでも突然に

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それは昨年暮れのある日の晩のこと
「そーいえばまだ新婚旅行に行ってないんだけど」
という嫁(腐女子)の一言から始まった。
この言葉に沈黙を貫く私。
私「(……だってそんなん行ってる時間もお金もないじゃん)」
ふと見ると、熱い視線とともにかなりワザとらしいウィンクを送る嫁。
嫁「バチッ! バチッバチッ!(←ウィンクの音)」
私「……新婚旅行?」
嫁「うん。せっかくだから海外がいいなぁ~」
私「どっか行きたいとこあんの?」
嫁「特にない」
私「特にないって…」
嫁「行ってみただけ。もし行けるんだったらむしろ奈良に行って寺巡りしたいかも!」
私「じゃあ奈良でいいじゃん。わざわざ海外行かなくても」
嫁「でもなぁ~新婚旅行で奈良ってのも…」
かなり優柔不断な嫁である。
嫁「ところで先生(私はいつも嫁からこう呼ばれてる)はどっか行きたいとこないの?」
私「もうこの際、奈良でいいよ」
嫁「なにその言い方! 奈良に失礼よ」
私「奈良に失礼って…」
奈良県民のみなさん、ごめんなさい。言い訳半分ですが、我々二人、
奈良県は大好きで、かなり通い詰めています。
嫁「外国なら?」
私「海外はまだ行ったことがないからなぁ…、
まあ、どこでも行ってみたいっちゃ行ってみたいんだよね」
嫁「どこでもじゃ決まんない!」
私「じゃあ、インドでも行くか?」
嫁「インドっ!? なんで!?」
私「…いや、なんか」
こうして我々のインド旅行は決定したのである。


【ネト見的インド旅行記】 第一章 旅はいつでも突然に


完全な思いつきとばかりにインドへ旅行することを決めてしまった我々だったが、
実は、我々二人にとっては決して縁遠い国ではないのだ。
というのも、大学時代、インド哲学という怪しげなジャンルを専攻していた我々である。
なにより、出会いがそこだったのだから仕方がない。
とっさに『インド』という言葉が出てきてもおかしくはない日常生活(どんな生活だよ…)を
送っているのだからもはや手に負えない。
こうなりゃ行くっきゃない! いや、絶対に行かねばなるまい!
とまあ、こんな感じでトントンと話しは進んでいったのだが、
…しかし、机の上でインドの事は学んできたつもりだけれど、
サンスクリット語(梵語ね)やらお釈迦さんやら
ガネーシャ神のことは知っていても、
今日のインドという国の姿を知っているわけではない。
都市部はどうなっているのか?
田舎街の生活状況は?
交通事情は?
治安は?
政治情勢は?
今一番人気のある俳優は誰か?
今年流行のファッションは?
結局何も知らないのである。
そんな中で旅をするとなると
ウキウキワクワクの新婚旅行など期待はできない。
ましてやごくごく一般的な旅行はおろか、
そもそも本当にインドに行けるのかしら?
などという不安さえ頭をよぎるのである。
とはいえ何もせずに時間ばかり無駄にしていてもよろしくないので、
とりあえずパスポート申請やら旅券の手配、ビザの取得などはパパッと済ませ、
情報収集も兼ね、方々の友人知人に連絡をして話しを聞くことにした。
ここからが問題である。
インド旅行経験のあるお友達曰く「インド人は百枚舌だからね!」とか
インド出身のお友達曰く「汽車なんかフツーに8時間くらい遅れるよ」とか
また別のインド出身のお友達曰く「トイレ終わったら左手で拭いて終り」とか
挙句の果てにはインド留学経験を持つ学生時代の恩師曰く
恩師「インドでは雨期になった途端、前日まで白かった壁が一晩で
青い(天然の)壁紙に変わりますからねえ」
私「青い(天然の)壁紙?」
恩師「まあ、壁紙というか、アオカビ的なものでしょうかねぇ」
とか言うではないか!
これは大変ざますよ!
どうやらインドとは、
世間一般の風評なんかより、
まして我々が予想していた以上にドエライ国のようである。
そりゃ背後にヒマラヤ山脈をいただいて、
どど~んとインド洋に突き出してますわな。
嫁「…ど~する?」
私「ど~するもこ~するも、行くと決めたからには行くっきゃない!」
『当たって砕けろ、後は野となれ山となれ』
わが人生の最高の美点であり最悪の習性である。
そんなこんなで
海外旅行好きな日本人なら誰でも知っている(?)
『地○の歩き方』『ar○co』などもちゃっかり購入。
加えて英会話&ヒンディー語会話集も手に入れたけれど
嫁曰く「現地での通訳、お願いね♪」
…恐妻家、バンザイ。
こんなことなら学生時代にちゃんと英語とヒンディー語やっときゃ良かった(…トホホ)。
そして月日はながれ、出国前日…
「最後の東京見物」などと恐ろしいことをいう嫁に連れられて一路浅草へ。
何をしに行ったかって?
はっきり答えてしまえば歌舞伎見物である。
毎年恒例、浅草新春歌舞伎を観に行ったのです。
実は何を隠そう、ウチの嫁は市川亀治郎さんの追っかけでして、
「亀ちゃん観なきゃインドに行けない!」とかなんとか
ワケのわからないことを言い出す始末。
それに私も歌舞伎に決して興味がないわけではないので
いそいそと出かけることに…(ちなみに私は坂東玉三郎さんのファン)。

場所は浅草公会堂。
入り口付近にて、

去る1月23日に亡くなった喜味こいしさんの手形の上にお花が
演目はこんな感じ…。

浅草に出かけるのも久々だったので、幕間にちょっとぶらついてみるとこんなものを発見。

そういやあったなと思いつつも、久しぶりに見ると妙にツボにきた
舞台がはねた後、浅草公会堂近くの大黒屋で…

いつも行列が出来ていて、今まで一度も入れたためしがなかった。
念願叶って食した天丼の味に感無量。
とまあなんやかんやあって夜遅くに成田着。
明日はいよいよインドである。
……しかし、こちとら出国手続きがどーの
ヒンディー語がどーのと頭いっぱい足元ふらふらの状態なのに、
傍らの嫁は「亀ちゃんかっこよかった! 七之助かわいかった!」
と大はしゃぎ。
先が思いやられるわい…。
ということで次回!
インド旅行記 第2回 いざ、聖地へ!!
そのうち公開します。
てか、今回、第1回とか銘打っておいて、
全然インド関係ない内容でしたねwww
ごめんポ

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