本の話し

2016年9月の本


プロレスという生き方
三田 佐代子

プロレス観戦が好きだ。
私自身、「スポーツは観るより断然やる方」なのだが、
プロレスだけは観るのも好きだ。
何故だか理由は分からないけれど、幼少のころからテレビにかじりついて観ていた。
大人になって上京してからはよく生で観に行ったりもした。
この本は、そんな私のような往年のプロレスファンだけではなく、
プロレスの「プ」の字も知らない初心者まで楽しめる一冊だ。
人気レスラーから女子レスラー、インディーに、果ては裏方さんまで…
永年スカパーのプロレス専門チャンネル・サムライTVでキャスターを務めてきた著者。
その客観的にして、時に母のような愛情ある視点で描かれる現在のプロレス界。
現在のプロレス界を取り巻く環境は、いくら人気再燃とはいえ厳しいものがある。
その中にあって、
「プロレスってこんなに面白い!」
「プロレスってこんなに魅力的!」
そんな熱意と共に、プロレスを作り出す全ての人へのリスペクトが感じられる一冊だ。


僕の父は母を殺した
大山寛人

「事実は小説よりも奇なり」
そんな言葉に一体なんの意味があるのだろう?
事実は事実のままである。
12歳で母を亡くした著者は2年後、衝撃の事実を知る。
母を殺したのは、父だった。
それを期に一変する生活。
万引き、ホームレス、自殺未遂…。
殺人事件の被害者の家族にして加害者の家族という、複雑な立場からつづられるそのあまりの内容に言葉が出ない。


明日切腹させられないための 図解 戦国武将のビジネスマナー入門
スエヒロ

ほぼネタ本ですw
戦国武将といっても、正直織田信長の名前を知っていれば十分楽しめます。
で、そのビジネスマナーにしても、
入門の入門の入門、というくらい。
ビジネスマナーって実際にはかなり面倒くさく煩雑だったりしますが、
それに興味を持つには十分な内容かと…。
役立てようなんて思っちゃいけません!


キリンの子 鳥居歌集
鳥居

私が彼女を知ったのは
昨年、新聞に寄稿した短歌が、ネット上で取り上げられ話題となった時だろうか。
著者のことを名前だけでも聞いたことのある人にとっては、
あまりにも有名であるその壮絶な半生。
そのことについては同時発売となった
セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語
に譲りたい。
だから、素直にこの歌集を読んでほしい。
三十一文字から零れ落ちるほどに溢れる不条理。
だが、それが現実なのだ。

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